2013年1月3日木曜日

pencil

【20120515】
最近、1年間使っていた名刺をリニューアルしようと思い、鉛筆を手にしてハッチングすること数時間。
無心で手を動かして書き進めると学生時代に必死になって描いた記憶が蘇り、懐かしい気持ちになった。
木炭に比べて鉛筆は、線が細いためストロークを多くしないと、遠くから見ても印象が弱いものになる。
油絵を描いていた僕はデッサンに関しては木炭メインだったけど、
ボタッとした墨のような木炭デッサンに比べて繊細なイメージの鉛筆画が僕は好きだった。
無心になって描いてもあんまり進まない鉛筆デッサンは、必死になって描いた後、気付かないうちに出来上がってみえたものだ。
ハイキングに例えれば、必死に登って振り返ると、はるか遠い眼下に歩き始めた谷間が見える感じだろうか…。
そういえば、高校や美術予備校では人それぞれに好みの鉛筆があったと思う。
Faber-Castell、MitsubishiのHi-uni、STAEDTLERがメインどころだっただろう。
すべて高級品で1本200円以上したものだった。
僕はキレイなブルーとギリシャ神話のマルスのロゴが好きでステッドラー派だったけど、
先輩から「日本人ならMade in Japanやろうもん(だろうが)!」と言われ、
あずき色のハイユニを借りて使ったら、意外と書き味が滑らかで気持ちよかった。
それは、漆のような濡れたような塗装で樹脂の飾りがついた日本の最高級鉛筆。カッターで削る際も滑らかで高級感を味わえる。
ただのuniじゃなくてHi-uniじゃなければ味わえない。
久しぶりに高校生の時に使っていて、なかなか捨てられない、ステッドラーの鉛筆を引っ張り出したくなった。