2013年10月13日日曜日

顔の見えるものづくり

5年近く前に買った革のジャケット。

思い切って手に入れたそれは、
憧れやブランドではなくMade in Japanのものだった。


買ったそのジャケットは、1人の職人さんが1着を最後まで仕上げるもので
内ポケットの中に印鑑を押してある。

そのレザー職人が独立し、福岡でSHOPを開いたという事を訊いて
そのお店を訪ねると、驚きの顔で迎えられた。
どうも、その方の知り合い以外では初めての「お客」だったらしい。

数年使ったジャケットの具合を愛おしそうに眺めて、
袖の内側を見て少し微笑んでいたので、なぜかと訊くと、
「オーダーメイドじゃない製品を作るときにはメーカールールがあるけど

譲れない部分は、それぞれの職人が独断で縫い方を変える」とのこと。
数年使ってもほつれていない縫い目を見て

「自分は間違っていなかった」と思えるそうだ。
作ったモノに関しては、ずっと面倒をみていきたい、とも言われていた。

 自分が職人を辞めることで、困る人もいることを考えると
 作りつづけることに、責任をもたないといけない

と言い、笑って見送ってくれた。