2013年9月26日木曜日

400年の重み

焼きもので有名な、佐賀県(西松浦郡)有田町は、
遙か昔、朝鮮半島から連れてこられた陶工が窯元をつくったことで
形成された街だと伝えられています。

近くに焼きものに適した粘土(陶石)があったのと、
焼きものを火にかける窯(登り窯)を作るのに適した山と
十分に使える水源があったため、
しばらくたつと、ここで焼きものを作って美しい絵を描き
遠いお客へ器を受注してくる行商も、ここに拠点をかまえるようになりました。
大名への献上と、欧米での高い評価を背景に、
北部九州の山谷にある孤立した、小さな工業地帯は
素晴らしい意匠・デザインを誇る家々が連なる町並みとなり、今に至ります。

21世紀の今日では、
往年の賑わいは年に2回の陶器市に集約されてしまっていますが
土と空、水と炎だけの世界で日本人が真剣に物作りを考え、
果てた空気、その名残を感じることができます。